![]() | 新リア王 下 高村 薫 新潮社 2005-10-26 by G-Tools |
父と子。その間に立ちはだかる壁はかくも高く険しいものなのか―――。
近代日本の「終わりの始まり」が露見した永田町と、周回遅れで核がらみの地域振興に手を出した青森。
政治一家・福沢王国の内部で起こった造反劇は、雪降りしきる最果ての庵で、父から息子へと静かに、しかし決然と語り出される。
(新潮社新刊案内より/しかし上手いことまとめるなぁ…)
まずは一言言わせていただきます。
な…長い闘いであった… (ぜぇはぁ)←読書で闘いって…
下巻です。
相変わらず舞台は上巻と一ミリも移動していない青森筒木坂普門庵。
相変わらずの親子の会話を主体とした文章。
根気がいりました。正直。なぜならきゅいの知識が追いついていかないから(とほほ)
政治家、福沢榮のお話は、政治の事ですから分からないなりに想像したり、ニュースを思い出したり、この小説の舞台である80年代とはもはや形は違うだろうけれど今の政治を思ったりしながら面白く読んだけれど。
問題は息子彰之(福澤榮が晴子に生ませた福澤直系)の仏教の話でした。
…………漢字、読めない。単語の意味が分からない。世界観が分からない。
自分の不勉強が、こう…突きつけられるような(笑)そんな感じです。
例えば、自分の好きなバンドがいるとしまして。
そのメンバーの好きな音楽というのは、バンドにも反映されると思います。
では、そちらの方も聞いてみよう。
てな感じで深くなってゆく、ルーツを辿るって事があるんですけど、
(わたし、これをしてみたのって別格バンドの時だけだ。Sちゃんに乗っかっただけですが)
高村薫に関して言えば、…いや、新リア王に関して言えば、この作業が非常に必要だな、と。
新リア王。
新というからには、モチーフになってるモノがあるわけで、それがシェイクスピアの「リア王」。
(威張って言うことじゃないけど、古典なんて読んだことがない)
それと仏教関係ね。禅宗の。
これに関しては、京極夏彦の「鉄鼠の檻」をもう一度再読したほうがイメージが掴みやすくなるかも。。
(えー…あの厚さを再読かい…)
で、面白かったのか?ということですが、
面白かったっ!
そんな分からない世界のことでも、読ませる何かが確かにあって面白いんだよ。
これぞ高村マジック☆
政治家福澤榮を取り巻く人たち、事件、情勢。
なんだか実際の政治家のお名前も出て来たりして、(物語には関係ないけど)、それが福澤榮が実際に存在しているかのように感じさせるし、後半になるにつれ、遠くにあったものが近くに近づいてだんだん見えてくるような、そんな感じに物語が見えてくると、面白くて読むのに加速がつきました。
登場人物が魅力的なんだよなぁ、、
ただ、ラストにたどり着いたときの私の第一声は、「なんじゃ、そりゃ」だったけれどね(笑)
時間を見つけて、今度は自分で晴子情歌も新リア王も買って、再読しないと飲み込みきれないな、と思ったきゅいです。
以下、叫び。

ワタクシ、上巻のときにも叫んだのですが。この親子。
父は70代半ば、息子は40代に入ったところまで、お互いに接触していなかったのに、妙に通じ合っているのがなんか好きです。
息子彰之は父、榮を福澤の外から冷静に観察し、福澤の内にいる誰よりも彼を理解し、
父榮は息子、彰之の心の底を理解した。
何だか好きだなぁ、この親子。いいなぁ。
(本文より)
ああ否、きみはいまのいまも確かに何かしら言いたげだ。それを君に言わせないのは仏か。(略)君は今度こそ子を捨てよ。父も捨てよ。そうして私と晴子がなした命一つを、私たちの代わりに仏という名の数千年の夢に費やせ。ぎゃあてぃぎゃあてぃの空に叩き込め。この四十一年、一度も私を父さんと呼んだこともない君ならば。(略)
そして、ああ君が言おうとして言えなかったのはこれか。君もさびしいか。
この、ラストの榮の心情を読んだときに、
本当にこの親子はお互い孤独で、だからこそお互いを理解するのかもしれないなぁと。
この部分、本当に好きです。
ま、上下巻を読んできた身としては、「なんじゃそりゃ」って言ってしまうラストだけれどさ。
チラッと、合田雄一郎らしき刑事さんが登場するのに胸躍ったワタクシでございます☆
合田ー、合田もっと出てきてーっ!!!
加納もお願いだから出てきてーーーーっ!!!
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